『野蛮と人間力 ラグビーと空手の共通項』223 日本空手道建武館 篠田剛

2012-03-31

7人制ラグビー『東京セブンズ2012』が、
東京・秩父宮ラグビー場で開催されます。
きっとエキサイティングなプレーを魅せてくれるでしょう。

さて、私がラグビーを取り上げるのはなぜかというと、
カッコいいと思うからです。
そして空手と共通項があるからでもあります。

共通項その1は野蛮と言われるところ。
ラグビーは元々、闘争心むき出しのぶつかり合いが危険で、
ケガや死亡事故を招くと批判されました。

空手も同じで、野蛮で暴力的だと、
いつも批判の的にされ続けてきました。
まさに殴る蹴る、ですからね。

でも、だからこそ、自分をコントロールできるか、
試される時がいっぱいあるわけです。
そういう、殴る蹴ることが認められる中で、
いかに自分を律して理性を保てるか。
自制心、とも言うんでしょうか。
空手とラグビー、似ているでしょう?

共通項その2は人間力が試されるというところ。
『ラグビーの精神 LAW』221でもお話ししたように、
ラグビーはルールの規定がとても少ない。
これは、ルールで縛らず選手の良識ある行動に任せているからです。

たとえば「弱い者いじめはいけない」というルールがあるとします。
私たちは、なぜいけないのかといちいち理由がなくても、
ルールを守れます。

空手を習い続けると、だんだんと卑怯なことはやるべきでないと、
思えるようになるからです。

このように、規定が少なくても、
「だめなものはだめ」と思えてとても人間らしくなります。

空手をずっと続けていると、
人が見ていようが見ていまいが、悪いものは悪い。
人の見ていないところでこそこそとインチキするのは男らしくない。
そう思えるようになるんです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。
■これからの社会の在り方として建武館が投げかける大事なメッセージ“よその子もうちの子”。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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