『不遇な「金次郎像」 時代で人物が善くも悪くも 二宮尊徳』214 日本空手道建武館 篠田剛

2012-02-29

二宮尊徳 日本空手道建武館.jpg

幕末に生きた農村変革者が二宮尊徳。
小学校の片隅にある、
薪を背負って本を読む「金次郎像」のモデルです。

尊徳は「経済なき道徳は戯言である」と言いました。
道徳ばかり説いていても仙人であるまいし、
霞を食って生きていくわけにはいかんぞと。

しかしその一方で「道徳なき経済は犯罪である」とも言っています。
金儲けをするためなら手段を選ばずという考えでいいのかと。

そこで尊徳は“道徳と経済の融和”を目指します。
「自分の欲得だけで動かず社会貢献しなさい。
そうすればいずれは巡って自分に返ってくるのだ」と説いたのです。

今でいう企業の社会的責任CSRやコンプライアンスでしょうか。
日本には昔からこのような素晴らしい人物がいたのです。

しかしある時期、薪を背負う「金次郎」が、
修身の象徴として政治利用されました。
それゆえでしょうか。
小学校で「金次郎像」が、
撤去あるいは放置されたままになっているケースもあります。
その時代により人物が善くも悪くもなるのは世の常とはいえ、
とても惜しいことです。

物質的には非常に豊かな社会になった今。
ただ儲かれば良いという利益至上主義はいかがなものかと、
問い始めた今こそ。
二宮尊徳が説いた尊い思想を、
子供たちに伝えることは大事なのです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますのでよろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。■今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
■道場生に伝えたい“技は心に応ず”“拳足は警策なり”。
■これからの社会の在り方として建武館が投げかける大事なメッセージ“よその子もうちの子”。
■建武館はK-1戦士を生んだ板橋初の道場です。空手道場というと、とても怖くて敷居が高いイメージですが、入ってみると意外にそうでないことがわかります。小さい子から壮年まで、初心者からアスリートまで、すべての人がそれぞれの目的を達成できるよう考えられた道場なのです。
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■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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