『未だ木鶏に及ばず』199 人生、カッコよく 日本空手道建武館 篠田剛

2012-02-12

双葉山は前人未到の69連勝を達成した名横綱。
その有名な逸話のひとつが「未だ木鶏に及ばず」という名言です。

双葉山が横綱になる前のこと。
ある酒席で、陽明学者であり思想家の安岡正篤に
「まだだめだ」と諭されました。

双葉山は慇懃に、どこがいけないのでしょうかとお尋ねしました。
そこで安岡が「木鶏」の寓話を紹介したそうです。

木鶏は、「闘わずして勝つ」という器量を、
身につけなければならぬという教えです。

感激した双葉山は安岡に木鶏の揮毫をお願いし、
それを額に入れて部屋に掛けました。

以来、双葉山は木鶏となるための精進をし、
のちに大横綱となったのでした。

連勝記録を止められた双葉山。
自分自身を「未だ木鶏に及ばず」と謙遜しました。
確かに土俵上の闘いの場では負けを喫しました。
しかしそのときの振る舞いはやはり木鶏にふさわしいものでした。

3年間無敗を続けた者が負ければふつうは動揺して狼狽し、
落ち込むものです。
しかし双葉山は違いました。
所作、振る舞いはまるでいつも通り。
土俵を一礼して花道を引き揚げました。
負けた日の夜に行われた激励会にも、
いつもの双葉山がいたそうです。

「闘わずして勝つ」という器量を、
身につけなければならぬという教え。

言うはやすく、行うにかたいものです。
格技を志す者は技術とともに、
そういう人物になれるよう自分を磨いていきたいですね。

名横綱双葉山と木鶏の逸話

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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