『心遣いを教わる』 18

私が金城裕先生から教わったのはもちろん空手ですが、日常の立ち居振る舞いも見習いました。

地方の審査会などによく先生のお供をさせていただくことがあります。いわゆる鞄持ちです。
審査の合間に食事などで雑談をします。その時の何気ない会話の中にいくつも教わるものがあります。

たとえば電車の切符を買うとき列に並んでいる間に小銭を用意する。自分の番になって財布を取り出しては時間がかかり後列の人に迷惑がかかるからという配慮です。

何気ない行動にも教わるものがありました。

喫茶店でティッシュを足元に落としましたが拾おうとはしません。気づかなかったのかなと思ったら、帰り際にそっと何気なく拾ってテーブルに置きました。

床に落ちた汚いものを途中でテーブルに置かない配慮だと思います。

他人への心遣いの大切さを、金城先生の日頃の何気ない言動から見出しました。
父が私に「親父みたいな方」と言った時から私は畏敬の念を持ったのでした。

建武館 篠田剛

2010-11-21

前のページ 次のページ

※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

お問い合わせ

無料体験・見学お申込み、お気軽にお問い合わせ下さい
  • 電話番号: 03-3962-4206
  • お問い合わせ