『こういう今だからこそ惻隠と身の危険を感じ取る感覚を』166

2011-12-08

千葉や茨城で相次いでナイフを持った男が現れ、
女性や子供に危害を加える事件が発生しました。
これら事件に共通するのが、
武器を持つこと、自分より弱そうな人を狙うこと、です。
こういうことをやる人間を“卑怯な奴”といいます。

報道を聞いていつも思うことは、
小さい頃からの倫理道徳をしっかり教えることが肝心だということ。
そして、少々危なっかしい遊びも許して、
切ったり転んだりをどんどん経験させるということです。

卑怯なふるまいは恥ずかしいのだと自覚させるには
“惻隠”の心を育てるに限ります。
ここはもう、ガキのころから徹底的に“惻隠”をたたき込みましょう。

目の前で人が困っていたら、
かわいそうだと思うだけでなく行動に移す。
手を差し伸べる。

それが当たり前の世の中にしてしまいましょう。
私はガキの頃からおやじに「弱い者いじめはするな」と教わりました。
だから卑怯な振る舞いは絶対にしませんでした。
誰かがやっているのを見ると胸糞悪くなって止めに入りました。

このように、幼少の頃からの徹底的な教えが、
大きくなってから人生観となって現れるのです。

そしてまた、それと並行して備わらせたいのが
“身の危険を感じ取る感覚”です。

たとえば車道側にバッグを持つと
「バイクで引ったくられるかも」と用心する気持ちです。

この感覚を養うには、小さなケガを経験させることです。
息子らが小さい頃、
夕食でホットプレートを使ってお好み焼きを作りました。
プレートがどれだけ熱いのか知らない息子は、
手でつかもうとして「あつい!」
ちょっと危ないかなと思うことでもすぐ止めずに経験させたので、
学習して次からは箸を使いました。

遊ぶ時もそう。
転んだり跳ねたり、切りキズや時には骨折も。
人が本来持っている“野生の勘”を取り戻すのです。

このことについては次のコラムに詳しく書いてありますのでお読みください。
『直観力』19
『身の危険を感じ取る感覚』141

何度も言うようですが、
ナイフを取り上げるだけでは事件はなくなりません。

そういうくだらない行為をさせないためにも、
被害に遭わないためにも、
惻隠の心
身の危険を感じ取る感覚
この両方を養い、育む教えが必要なのだと思っています。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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