『ケンカの道具から人間を育てる空手へ』 13

殴る行為は空手を知らなくても本能的に出る行為なのですが、たしかに習いたての人や小さな子どもは、空手をケンカに使うこともあり、それに対して眉をひそめる人もいます。

精神が未成熟な段階では起こりうることなのも事実です。しかし、それは時が解決するもので、ある時期を過ぎると、つまり、技が上達し体が鍛えあがる頃には、武器を持つこと、弱い者いじめ、集団での暴行などという行為が卑怯者のすることだと思えるようになります。

卑怯なこととは何かを悟った者は、潔い行動をとることはあれ、決してみずからを低めるような醜い行為はしなくなるものです。

今は親が傍目を気にするために、あの子がどうしたこうしたと噂が飛び交うと、もうそれだけで、空手は辞めなさい、となってしまいます。親や周囲の大人たちがその道程を理解し、子どもの心が成長するまで辛抱強く見守っていられるかが重要です。

空手を習っていようがいまいが、小さい子がやがて高校生にでもなれば、大人と同じくらいの腕力となります。その時、その腕力が、悪い方に使われるのか人助けに使われるのか、それまでに心を学ばせ、惻隠の精神を叩き込ませる必要があるのです。

体を動かしているのは心ですから。

建武館 篠田 剛

2010-10-14

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