『黒帯会 バカな奴同志の結束』157

2011-11-21

有段者で作る「黒帯会」。
技と心を伝え結束を固くするのが目的です。

2011年11月19日、今年最後の黒帯会を開きました。
この日は建武館や空手の歴史についてお話ししてから、
組手で汗を流しました。
組手はひと回り全員とやります。
力を抜かずにやり続けるのは結構大変です。

道場でいつも話すのは“効率性は求めない”ということです。
世の中とは逆ですね。

何度も組手をするのがわかっていると、
前半は手を抜いて後半まで戦う余力を残しておきます。
誰しも最後の組手でバテバテの醜態をさらしたくはないものです。
しかしそこをあえて初めから手を抜かずに出し切ります。
最後はもうへろへろ。

そこで良く言うのは「バテるのがかっこ悪い」のではなく
「バテるまでやるのがかっこいい」。
みんながそういう認識のもとで組手をすれば、
誰もへろへろになっている者を嘲笑いません。
嘲笑うどころか反対に
「こいつも頑張ってるなぁ」と自分にはまねができないことを賞嘆します。
非効率なことをやって賞嘆されるわけですからまさに世の中とは逆です。
我々はこういう後先考えずへろへろになる者を
「バカな奴」という褒め言葉で表します。

力を抜かずにやりあっているうちに不思議と心がふれあいます。
単純にランナーズハイのようなものとは違いますね。
世の中は携帯電話やパソコンが普及して、
コミュニケーション方法が様変わりしました。
人との深いつながりを避けてメールで済ますような、
緩い人間関係が好まれる世代が増えました。
そういう世の中で、殴り合いながら結束を深める行為は
逆に新鮮なのかもしれません。
だから「闘志(とうし)」を燃やして汗(”)を流すと
「同志(どうし)」となるのかもしれませんね。

ひとしきり汗を流したら近くの居酒屋で一杯。
この一杯が美味いんだと言いながら、
これがまた第二道場と化してバカな奴同志で飲みまくりました。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
■……………………………………………………………………………………
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
■……………………………………………………………………………………

前のページ 次のページ

※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

お問い合わせ

無料体験・見学お申込み、お気軽にお問い合わせ下さい
  • 電話番号: 03-3962-4206
  • お問い合わせ