2012-06-11
私がガム取りに没頭していた時。
ふと気づくと目の前に初老の男性が立っていました。
じっと見つめて、
そして一言。
「そんなことしても無駄」
私たちがやっている行為は、
ガムを吐き捨てる人間には通用しないというのです。
いくらやっても人間を変えることはできない、と話していました。
では、どうしたらガムの吐き捨てはやらなくなるのか。
初老の男性は続けました。
「罰金1万円にしたらみんなやらない」
よく話を聞けば批判しているわけではないようです。
その男性もガムを吐き捨てるようなモラルの低下を嘆いていました。
吐き捨てをさせない社会にしたい考えは我々と同じでした。
ただ、
法律で縛る、という発想にはどうも馴染めません。
子供に親がよく言うことば、
「悪いことするとお巡りさんにつかまっちゃうよ」
いやいや、あなたが叱りなさい。
目の前にいるあなたが叱ってあげなさい。
お巡りさんの権力を笠に着るのはよくありません。
だめなことはだめと叱ってあげないと、
お巡りさんがいるときだけイイ子になってしまいます。
見ていなければ悪さする子になってしまいます。
やはり、根本から、
「誰も見ていなくても悪いことはしない」心にさせるのが一番。
だから、法律でしばるという発想には、どうもなじめないんですね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。