『織田信長の人物鑑定 ゴミを拾った少年 和の心にふれよう 板橋区立常盤台小学校の総合学習』151

2011-11-17

体育館を歩いていると真ん中に、
小さなゴミが落ちているのに気づきました。
そこはちょうど、子ども達を集合させる場所でした。

整列し始める子ども達。
誰も気づかないだろうと自分で拾うつもりでいました。

ところが、一人の男の子がそのゴミを見つけて拾いました。
私は感心してすぐに褒めてあげました。

もともと私はこの講義で、
今のようなゴミ拾いについて話す予定だったのでグッドタイミングでした。
その話というのは「織田信長の人物鑑定」です。
若い頃に読んだ本にありました。

織田信長は今でいう会社の社長さん。
その織田社長。
社長室から大きな声で隣の秘書室に向かって言いました。
「誰か来てくれ」
社長の声を聞いたある社員が
「何かご用でしょうか?」と社長室に入りました。
ところが社長、
「もう済んだ」
その社員、?マークの顔をしながら退室しました。
少し経つと、また社長が
「誰か来てくれ」
今度は違う社員が社長室に入るのですが、
同じく「もう済んだ」と言われて退室します。
また少し経って社長が
「誰か来てくれ」
さっきの二人と同じで「もう済んだ」と言われて退室する社員。
ところがこの社員だけ、
そばに散らかっているゴミを拾ってから退室しました。

「殊勝な心がけだ」
織田社長はとても感心したそうです。

用が済んだと帰される時、ぼんやり退室せず
“何かついでにすることはないか?”
と心を使い、気働きをするからこそゴミに気づいたのです。
心を使うのは怠けていないしるしです。

「惣じて人は心と気とをはたらかすを以て善しとす」
これは信長の書にある言葉であり、信長が好む人材でした。
この社員こそ、小姓時代の森蘭丸でした。

私はこの話を通して、子ども達には心遣い気働きと、
自主的工夫を加えることの大切さを説きました。

社会人になって、言われたことしかやらない、
指示待ち人間になってもらいたくありません。
いつか、大きくなって、私のこの話を思い出してくれればと思っています。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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