2011-11-16
空手の演武でよく見かけるのが試し割りです。
試し割りは物を壊すので“野蛮”なイメージを与えてしまいます。
では、なぜ試し割りをするのでしょう。
確かに、目につくものを手当たり次第、
折ったり割ったりするようになったら困ってしまいます。
しかし、それがすなわち暴力や非行のきっかけになるとは思っていません。
それではなぜ試し割りか。
空手のこころ133でも書きましたが、
空手を理解してもらう一番手っ取り早い方法が試し割りなのです。
人に危害を加えず、突き・蹴りの威力をわかってもらうのに、
とてもわかりやすい方法なのです。
また、割れた喜びが即、達成感に結びつきやすく、
やりがいを感じられるのも試し割りなのです。
子ども達にとれば「割れないかも…」とか「痛いだろうな…」と、
不安がよぎります。
やる前からギブアップしたくなっていたのに、
だけど割れた、という喜びは自信につながります。
自信はやがて余裕を生んで、
それが優しい心根となって芽生えてくるものです。
子どもはメンタル面で稚さがありますので、
どうしても試してみたくなるものです。
辛抱してもう少し長く稽古を積んでいけば、
それが単なる“強がり”なのだと気づくでしょう。
そうなれば、物に当たることは実は弱い人間のすることなのだと、
目が覚めます。
このように、試し割りは子どもの成長にとってもよい方法なのです。
空手はけんかの道具と思われがちですので、
物に試すと「ほらやっぱり」と言われてしまいます。
性急に「結論」を出さず、長い目で見守ってあげてほしいものです。
昨日発表会を終え、総合学習の講義が終了しました。
子ども達、頑張りました。
またいつかその頑張りをご報告できればと思っています。
校長先生はじめ、常盤台小学校の関係者のみなさん、
ありがとうございました。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。