『実りつつある先生の心の教育』 14

2010-11-17

意気に感じた、長男の担任の先生。
その先生が、10月下旬より一ヶ月程度入院し治療に専念することになりました。

学校から保護者あての手紙にはその経過報告と、
年度途中にこのような状態になり学級指導等についてご心配をおかけすることになりますが、
という一文がありました。

全く心配はしていません。
こんな時こそ、
-乱暴な言い方ですが-
我が子のことなぞさておき、先生のために何かしよう。

そんな、親の考えが子供の豊かな心を育ませるものです。
学力は大事。
されど心の教育はもっと大事です。

先生が自らの思い出を綴った、道徳のプリント。
その続きには、こういうことも書いてありました。

『私の一学期の(カンニングした)国語の評価は「1」がつき、彼は「5」だったようです。
二学期は意地で「4」をとりました…。』

真実を暴露すれば、彼(友達)は「1」になっていたかは定かではありません。
しかし先生(M)は「1」にはならなかったでしょう。
ところが友達をかばい暴露はしなかった。
「1」の評価も甘んじて受けました。

しかしそこから先生の持ち前の意地を発揮します。
何クソ!やってやろうじゃないか!苦境の時にこそ発揮する心の強さ。
いまが頑張りどころだ!今ここで頑張らずにいつ頑張る!
そう思ったに違いありません。

挫折してもめげない気持ちの強さ。
これは、先生が道徳の授業で生徒に伝えたかった大事な一つだったのでしょう。

中学校で文化祭がありました。

先生のクラスは文化祭で合唱大賞を取ること。
取って途中入院した先生に贈るという目標を立てました。
そしてその心が通じてみごと大賞を受賞!

中学校の配布物『学年便り』に生徒の作文が紹介されていていました。
文化祭の各クラス代表者の感想文です。
そこには、
「先生のために…。いつも先生のパワーが心の中にある」
そう書かれていました。

我々親よりも子ども達の方が、自分のことなぞさておき、先生のために何かしよう。
という想いが勝っていたのでした。

先生の心の教育が実りつつあることを実感。

建武館 篠田剛

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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