『博愛と犠牲 それが協力雇用主』149

2012-07-18

罪を犯した人を進んで雇う会社があるなんて、
知る人は少ないでしょう。
そして雇うことがその街に安全安心をもたらすというのが、
わかっている人も少ないはずです。
ですのでシンポジウム「協力雇用主を知って下さい!」を、
開催した意義は深いでしょう。

協力雇用主は、
・やり直したいという人を信じて助ける博愛精神
・わが社に万一のことがあろうと、
街の安全・安心のためにという犠牲的精神

この2つの精神を持った事業主なんだと思います。
パネリストとして登壇した社長さんはまさにその人なのでしょう。

さて、このシンポジウムで注目すべきことは、
年院を出院した人が登壇したことです。

彼の名は和斗(仮称)さん。
和斗さんは社長さんが5年ほど前に雇いました。
彼は手の甲にまで入れ墨が入っていました。

コーディネーターに促されて彼はこう話しました。
「うちの社長に雇われる前に、何社も断られました。採用された時は、まじめに働くチャンスだなと思いました。社長や社員の人達が受け入れてくれたので、少年院に送られたことはあまり考えなくなりました。(受けた恩を)返したいと思っています」

外見を見ればほとんどの会社は断るでしょう。
しかし社長さんは中身を見て採用しました。
今では社長さんが絶大な信頼を寄せるまでになりました。

これは本当にいい例です。
社長さんは実は過去、彼以外にも出所者を雇ったことがあるそうです。
ところが長続きせず辞めてしまいました。
無断欠勤をするなどして、
取引先や同僚にも迷惑がかかったこともあったでしょう。
が、そういうことがあっても彼らを見捨てなかった。
それが和斗さんにつながったのだと思っています。

言うは易しというのはわかっていますが…。
社長さんのような人が一人でも現れてくれることを願って、
このシンポジウムが開かれました。
みなさん、ぜひ協力雇用主のこと、知って下さいね。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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