『カッコ悪さをさらけ出す後輩』144

2012-06-26

今に見ていろ 俺だって 見あげるほどの大木に なってみせずにおくものか

この歌を聞いて、ふと思い浮かぶ男がいます。
母校、拓殖大学の後輩です。
先日、その後輩の結婚式に呼ばれて行ってまいりました。

彼の職業は千葉県にある高校の教師。
教師でありながら、新空手やプロのキックボクシングの試合に
出るようなおもしろい奴なんですね。

若い頃に習っていたボクシングや柔道も含め、
数々の輝かしい優勝歴もあったようです。
キックでは海外でも戦い、チャンピオンにもなっていました。

ところが国内でのキックの試合は3回戦って3回とも負け。
毎回、高校の教え子をたくさん連れてくるのですが、
いつも負け試合しか見せられません。
だからといってしょんぼりなのかというとそうではなく、
むしろ爽やかで、華やかなんですね。

そんな彼の試合を見て思いました。
彼は教え子に、

負けることなんか気にするなよ!
また立ち上がればいいんだよ!

ということを教えたかったんじゃないかなと、そう思いました。
カッコ悪さをさらけ出す、そんな教師、なかなかいません。
実に、カッコいいやつです。

考えてみれば、人生は負けることの方が圧倒的に多いもんです。
その圧倒的に多い「負け」にどう立ち居振る舞うかを、
彼は真剣に考えたのではないでしょうか。

そんな彼を思い浮かべながら、
キッズ大会会場にいる子供たちに願いました。
どうかみんなも、この大会で、
何が“カッコいい”ことなのかを見つけてほしい、と。
そしていつか、見あげるほどの大木、
でっかくて立派な人になってほしい、と。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。

前のページ 次のページ

※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

お問い合わせ

無料体験・見学お申込み、お気軽にお問い合わせ下さい
  • 電話番号: 03-3962-4206
  • お問い合わせ