『腹を試す時が来た』138

2012-06-03

試合というのはおもしろいものです。
勝っても釈然としないこともあるし、
負けても晴れやかな気持ちになる試合もあります。

要するに大事なのは悔いのない試合をすることです。

では、悔いのない試合だったと思うのはどんな時か。
それは、
自分の思うままの試合ができた時です。
自分の実力をすべて出し切れた時です。
次につながる道筋が見えた時です。

拓殖大学の学生に歌い継がれるものに「狼の歌」というものがあります。
“男一匹やるだけやれば何のこの世に未練がありょか”
という出だしで始まります。

もちろん、この歌の内容は試合とか勝負とかではないのですが、
学生時代、この歌を口ずさむことで、
腹が据わるような気持ちになったものです。
俺はやるだけやったんだ。あとはどうにでもなれ!と。

気持ちが飲まれていたら燃え切れず不完全燃焼に終わります。
ええい。ままよ!
そんな開き直りができるかどうか、それを試すのが試合なのでしょう。

今日は拳神祭2012 全日本新空手道選手権大会。
出場する選手は、開き直れる腹が自分にあるか、
思う存分、試してみてください。


ちなみに。

「狼の歌」の最後の一節がカッコいい。
“どうせおいらにゃ狼の血が親の代から流れているぜ”
先輩がそう歌い終わると、後輩の私は身震いして、
体の血が倍の速さで流れて燃え滾ったものです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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