2011-11-02
一昔前は、近所のやかましいおじさんは、
悪ガキを見つけてはガツンとやってくれました。
ガキ共は反省します。
それは、おじさんのガツンが、
愛情たっぷりだというのを知っているからです。
そんな風土に育つと叱られて逆ギレするようなことがなくなるのでしょう。
規範とか長幼の序というものも身に沁みつくようになるのだと思います。
そういえば。
直接打撃の稽古をし始めたころを思い起こすと、
「殴られ慣れ」していない彼らは、
殴られるたびに怒っては殴り返していました。
泣いてしまう子もいました。
殴り合ってもまったく関係にひびの入らない人間を作っていけないか。
空手の稽古を通じて、
そんな間柄が作れないかなと考えるようになりましたね。
区民まつりの演武では「組手」を披露しています。
二人は力加減しなくても平ちゃらな体と、
殴られていちいち腹立てない心を持っています。
だからお互いにがんがん攻め合えます。
たった一発で、ある一言で……
怒ったり不信感を抱いたりしてしまうような、
そんなもろい人間関係なんて嫌じゃないですか。
とことん、とことん信じあえる仲間を作ってほしいと思っています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。