『心ひとつに!』 12

2011-03-20

福島第一原発の事故で放水を行った、
ハイパーレスキュー隊隊長の言葉は胸に突き刺さりました。
「残された家族に大変申し訳ないと思う」
そう唇を震わせ涙を浮かべながらのコメントでした。
想像を絶する過酷で悲惨な現場だったのでしょう。
まさに身を賭してやっていたのですね。

無力な私たちにできることは?
まずはできることから。
不要不急の買いだめをしている仲間がいたら勇気出して
「よそうよ」と言う。
エレベーターに乗ろうとする仲間に「階段で昇ろう」と付き合わせる。
のんびりしている仲間がいたら「ボランティアしないか?」と誘う。

現在、宮城県の災害ボランティアセンターが、
ボランティアを募っています。
しかし宿泊場所の確保が可能で燃料を確保できる人が条件なので、
ちょっと難しい。
今はまだ現地のボランティアに委ねるしかありません。
彼らを支援することが、
今私たちが被災地にできるボランティアなのでしょう。

もし、被災地ボランティアに行って清掃を頼まれたら、
真っ先にトイレ清掃をするでしょうね。
トイレが汚れるとストレスがたまり不満を他人に向けるようになる、
読売新聞で読みました。
建武館のよき伝統であるトイレ清掃は、
まさにうってつけのボランティアです。

甲子園に向けて出発す東北高校の部員に、
集まった住民がエールを送りました。
大津波に襲われた釜石市の寺の住職がおどけると、
避難してきた被災者が笑って癒されていました。
東北高校に住民がエールを送れるのも、
住職の語りに笑い声が出るのも、
同じ痛みを分かち合っているから。

現役時代。
試合を間近にピリピリしているときに、
周りが他人事のように呑気にされると、
死ぬわけでない試合に出るときでさえ腹立たしく思ったものでした。
分かり合うのは難しいけれど、
分かち合おうと努力することが大事です。

心をひとつにする。
実は私の三番目の息子に名づけた名前が“一心”です。
今、まさに日本が心を一つにして乗り越えるときが来ました。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります

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