『今どきいない担任の先生』 12

2010-11-15

私の長男は中学2年生。
その担任の先生の話です。

今年、道徳の教材として配られた一枚のプリント。
出勤前に女房がはい、と手渡してくれました。

プリントを見るなり目に飛び込んできた文字が、
「本宮ひろ志」
「硬派」
そして「弱きを助け強きを挫く」…。

なんじゃこりゃ?!
私のアンテナにびびっとひっかかりました。

常日頃から「男」に関わる言葉に敏感に働かせている私にとってみれば衝撃的でした。
朝の忙しい時間に手渡されたのでお座なりな対応で済ませようとしましたが、
釘付けとなってしまい、結局じっくり全文を読み干してしまいました。

学校の道徳にこんな話材が使われるのを見たのは、生まれて此の方ありません。
こんな先生がまだいたのか!
嬉しくて仕方ありませんでした。

せっかくですのでそのプリント内容を要約して書きます。
はしょったため内容が伝わりにくくなってしまい、それが残念です。

『M(担任の先生)は当時、本宮ひろ志という人の漫画に感銘し「硬派」に憧れ、負けず嫌いで、弱きを助け強きを挫き、納得のいかぬことや筋違いにはとても頑固でした。しかし卑怯なことや、先生に逆らったり友達を裏切ったりすることは絶対にありませんでした。
中3の1学期、友達が体調を崩して勉強ができなかったからとカンニングを頼んできました。進路を控えた大事な時期と思ってMは引き受けたのですが、それが先生にバレて2人が職員室に呼ばれます。
友達は何と、ペーパーは自分が作ってMに渡しましたと真逆なことを言ったのです。先生はそれを信じてしまいます。濡れ衣を着せられたMはしかし最後まで言い訳もせず親も呼び出されて怒られるままに終わりました。友達はその後、T大法学部を卒業し弁護士となり、「カンニングを首謀した」と思われているMは今…』

その友達は文武両道の模範的存在で、いつもみんなの憧れの的だったそうです。
何をもって「優等生」とするのか。
何をもって人生の成功というのか。

それを考えさせられるお話でした。

建武館 篠田剛

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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