『ボクシングの縁』 11

2010-12-01

小泉君のボクシングつながりの話をします。

2009年5月、私が仕事のことで悩んでいた頃のことです。
地元の先輩、コマッチャンこと小松悟さんが飲みに連れて行ってくれました。

そこは、道場から10分も歩かない、
遊座大山という商店街の一角にある寿司屋でした。

のれんをくぐると、優しそうな目をした店主がいました。
しかしまぶたには傷があり、鼻が少し曲がっていました。
凝らして見ると眼光はするどい。

何かやっている人だなと思いました。
お話をするとボクシングをやっていたというのです。やはり…。
そして、失礼を顧みず言うと、私と似た“匂い”を感じたのでした。

私はボクシングの世界はよく知らず、
その時、店主がどのくらい強かったのかわかりませんでした。

この世界で知らぬ人はいない、
1979年、日本J・フェザー級のチャンピオンとなった岩本弘行さんです。
そうなんです。小泉君と同級、これも何かの縁です。

岩本さんは、2連続防衛のあと敗戦するもすぐ取り返し、
その後8連続防衛を成し遂げました。
引退後は宝石会社の営業職を経て、
幼少からの夢だったすし職人の世界に入ります。

ボクシングの選手時代は飽きることなく基本の繰り返しをしたそうです。
それと同じく愚直なまでに仕事もこつこつ地道にされて、
8年もかけて念願のお店を出されたそうです。

先ほど話した、同じ“匂い”というのは、こういうところです。
とてもくつろいで店にいられるのは、岩本さんのそんなお人柄のせいしょう。

そして、さらにもうお一人。
これも縁なのでしょうか。

2009年10月、スポーツ祭りというイベントに親子で行きました。
ボクシング体験コーナーに次男が参加しました。
そのとき教えていただいたのが荒木健先生でした。

岩本さんにそのことを話すと、
岩本さんは「荒木さんは私の大先輩」だというのです。
縁はどこかで結ばれているんだなと、感じた瞬間でした。

岩本さんのお店をご紹介します。
鮨は絶品、何より岩本さんと会ってほしいですね。

●鮨処いわ本 板橋区大山東町56-10 電話03-3962-7788

建武館 篠田剛

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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