『キレイなタコ部屋』129

2011-06-09

2006(平成18)年8月。
お盆休みを利用して長男、拓海と日本一の山、富士山に登りました。

午後、五合目から出発。
高山病は辛い。拓海には私の二の舞を踏ませたくないと、
何度か途中休憩を挟みました。

夕刻に八合目の山小屋に到着。
ここで軽めの夕食と仮眠をとります。

この山小屋は私が初めて行ったときは木造でまさに“山小屋”という感じでした。
今回は改築されて小ギレイになっていました。

私のときは迷路のような廊下を歩いて小さな部屋の二段ベッドが仮眠場所でした。
大の男三人があの小さい面積で、肩をすぼめながら寝ました。

拓海にも「そんな感じだからな」と覚悟させていました。
しかし今回は小ギレイに改築されていましたので、
ゆったり眠れるだろうと秘かに期待していました。

すると案内された部屋は、まさにキレイなタコ部屋。
ぎゅうぎゅう詰めで互い違いに寝ます。
つまり顔の左右に見知らぬおやじの汗くさい足があるわけです。

反対側の私の足元にいる拓海と目配せして、
ここは広間に行って体を休めることにしました。

しかし、広間は夜中の零時になると、
山頂へ臨む集団の身支度でばたついていました。

体を休める程の時間も取れず、
我らもそろそろ行くかということで出発することにしました。

かわいそうに、途中から小雨が降り始めました
九合目あたりから拓海はだんだんと渋い顔になってきました。

拓海にとって、
疲れと、寒さと、眠気との闘いが始まったようです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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