『1勝2敗 だから努力は怠らない』50

2011-08-15

勝利の興奮冷めやらぬとはこのこと。
翌2002年1月、窪田君はそそくさと『一撃』に出場します。

彼はセミファイナルに出場しセルゲイ・プレカノフ選手と対戦。
一月前のがむしゃらファイトでの1R勝利で、
我々はもちろん期待に胸をふくらませています

しかし、
結果はあっけなく1ラウンドKO負け…。



彼の戦績を振り返ると。

新空手では、初陣を準優勝で飾る、
といえども決勝では悔しい負けを経験しました。

その悔しさをバネにグランプリ出場者選出大会で勝ち進み、
グランプリ出場権をもぎ取ります。
しかし、グランプリ本戦で屈辱的な失神KO負け。

転じてキック。
デビュー戦では出鼻をくじかれたように1分も持たずにKO負け。
その後、歯ぎしりしながらの猛練習の末、
今度は鈴木選手に1ラウンドKO勝利。

しかし、その喜びもつかの間、
一撃の舞台で1ラウンドKO負け。

新空手、そしてキック、ともに1勝2敗。
負けて勝って、また負けます。

なかなか勝利で締めくくるようなかっこいい終わり方を、
神様はしてくれません。
あたかも、“努力を怠るな”と言われているようです。

努力を怠っていたら下がるだけ。
一歩後退すれば、前進すればいい。

1勝2敗、だから努力は怠らない。
これが、彼の人生の歩み方なのかもしれません。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場でガマンを売る空手家
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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