『おやじが死んだ歳までに継がす』119

2011-07-15

おやじは49で死にました。
私が高校を卒業して春休み、兄が大学2年から3年になる時でした。

兄はおやじの事業、
といっても数億の借金を抱えた会社でしたが、を継ぎました。
その会社とともに建武館をも引き継ぎました。

それから数年。
継いだ会社は潰しますが独力で新しい会社を設立しました。
もちろん、借金は途方もなく残っていますが。

道場の方も、ただ引き継いだだけではありませんでした。
自宅の屋上に建てたプレハブ小屋の小さな道場から、
区内では珍しくきれいで立派な道場に発展させました。

道場だけではありません。
キックにも参戦し、板橋で初のK-1戦士を誕生させました。
さらに、悲願のヘビー級チャンピオンにもなり、
板橋に建武館ありと世間に知らしめました。

このように兄は、会社も道場も、
まったく新しく、スケールも大きなものに作りかえたのです。
―あれから27年。

兄は48になりました。
そして、私に建武館を継がせました。

おやじが死んだ49になるまでに、建武館を引き継がせよう。
そう心に決めていたのでした。

…続く。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
■……………………………………………………………………………………
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
■……………………………………………………………………………………

前のページ 次のページ

※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

お問い合わせ

無料体験・見学お申込み、お気軽にお問い合わせ下さい
  • 電話番号: 03-3962-4206
  • お問い合わせ