『切磋琢磨とは程遠く』118

2011-04-24

平成14年に研修会会長を辞任。
当ててはならぬ、から、当てなくてはならぬ、に変わったのだから、
さぞ子ども達は戸惑ったでしょう。
指導する私も戸惑いながら手探りの状態が続きました。

戸惑いのひとつが“力加減”です。
どのくらいの力で打てばいいのか経験がないのでわかりません。
ですので、子ども達は思いっきり打っては相手を泣かし、
または怒らせていました。
道場内は徐々に和が乱れ、“強ければいい”という、
荒れた雰囲気になりつつありました。

もちろん、私も同じでした。
館長の指示で私も一般部で稽古をするようになりました。
それまでと違う技術です。
一から出直すという度量を持っていればよいのですが、
そうカッコよくいきませんでした。
副館長とはいえ“アウェー”の感覚でした。
心の中では常に「なめられてたまるか」と叫びながら打ち続けていました。
きっと、これまでの研修会で培った技術は必ず生きると証明するために、
必死だったのでしょう。

切磋琢磨とは程遠い感情でした。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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