『たまり空間 住民の幸福度を示す尺度となれ』112

2012-01-30

どっこいしょ、腰をおろして一休み。
疲れが抜けたら歩き出す。
道すがら、こんな一息つけるベンチがあると助かりますよね。

おふくろが外出をためらう理由の一つが、
疲れた時に気兼ねなく座れる場所がないことです。

バス停を利用できればなぁ…。
おふくろからその話を聞いて思いました。
つまりバス停の近くにこの専用ベンチを作るのが、
手っ取り早くていいのではと考えたのでした。

というのも、バス停の間隔が、
一息つくのにちょうどいい距離になっているからです。
座る場所があれば、足が弱っているおふくろも、
ちょくちょく買い物に出かけるかもしれません。

ところが、バス停は幹線道路沿いにあるので、
排気ガスをかぶるし車の往来があって危険です。
やはり、商店街など買い物ができてトイレにも行ける道沿いが適しています。

しかしそういう場所は私有地がほとんどなので、
設置スペースを提供してくれる人が必要です。
無償で場所を提供してくれる方がいればよいのですが、
そんな奇特な人はまれです。

そこでどうでしょう。
財源が必要ならばベンチなどに広告スペースを設けて、
広告料を集めてみては。
収益の一部を設置場所の提供者に払うのです。

いくら平均寿命が上がっても、
自立した生活ができなかったら生きる喜びも湧きません。
快活に外出して、いつまでも健康で長生きするためにも、
このような工夫をするべきです。

自治体も財政難でしょうから、旗振り役となればよいのです。
人や企業を巻き込んでどんどん推進してほしいと思います。

健康長寿の街。
あなたの街がお年寄りにやさしい街だと評判になれたらいいですよね。
それに、元気な壮年パワーも期待され、医療費も軽減されます。
たまり空間という休憩施設の有無も、
住民の“幸福度”を示す尺度となるかもしれませんね。

ロコチェック
設問【15分くらい続けて歩くことができるか】
歩く速さは時速4kmで、15分間におよそ1km。バス停の間隔は500m~1km。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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