『健康長寿の街を創るための道』111

2012-01-29

数年前、おふくろはこれまでの喫煙や運動不足などがたたって、
心筋梗塞で倒れました。
現在83歳になり、外出することもめっぽう減り、
みるみる体力が落ちてしまいました。
自分でも感じたのか、最近は
「買い物に行ってみようかな」と言うようになってくれました。

しかし、そんなおふくろの外出をためらわす原因があります。
それは、途中で休憩できる所がないことです。
過去にへとへとに疲れた経験をして、
またそうなるのではと想像をめぐらしてしまうのです。
このままではさらに体力が落ち、
寝たきりを早めてしまう心配があります。
やはり外出は必要です。

そこで提案です。
車に「道の駅」があるように、人には「たまり」空間を作るのです。
何も大がかりなものはいりません。
買い物の道沿いに、誰もが気軽にひと休みができるように、
ベンチを置くだけでいいのです。

ひと休みできることがわかれば、
お年寄りは安心して外出できるようになるでしょう。
人と会話もできます。
そうすれば心の若さが保て、
いつまでも自立した生活ができるようになると思います。

国土交通省では“ゆとりある街並みの創出”に力を入れています。
つまり植栽やベンチを設置し、
立ち話や一休みができるような憩いの場を作ろうとしています。

この計画は私の願いと一致していて大賛成です。
たまり空間は、「ゆとり」だけでなく、
「健康長寿」の街を作るための道となるのです。

自治体はぜひ積極的にこれを推進してほしいと願っています。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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