『揺れ動く心』109

2011-04-01

平成14年の頃。
金城先生は空手の歴史と研修会の伝統を伝えるという使命を私に託したのだ。
だから今は私情を捨て、負託に応えるときだ。

そう考え、私は身を粉にして尽くしました。
しかしひと時も心の休まることがなく、
いつしか身も心もくたびれ果てていました。

そんな私を館長は見てくれていました。
研修会での私の立場を理解していました。
私の性格もわかっていました。
このままでは私がつぶれてしまうだろうし、
苦労が無駄に終わってしまうとわかっていました。

二人が違う方向を見ていたら前に進まない。
もし空手を続けるなら建武館でやってほしい。

建武館で一緒に空手をやることを館長は願っていました。
私は館長に、何度も何度も、研修会を辞めてくれと頼まれました。

しかし私は頑なに断り続けていました。
金城先生が描いた研修会の青写真を破り捨てることはできない、と。

だが、私の身を思う館長の言葉に私の心は揺れ動いていました。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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