『焦燥感』108

2011-03-13

継承する私が誤ってしまっては、
連綿と続く空手の歴史、研修会の伝統が途絶えてしまう。
私が歴史を分断、根絶させるわけにはいかない。

金城先生はその使命を私に託したのだ。
だから今は私情を捨て、負託に応えるときだ。

そう考え、私は身を粉にして尽くしました。
しかし研修会ではひと時も心の休まることがなく、
常に針の筵に座る気持ちでした。

毎年1回開催する研修会主催の競技大会。
若造の私を援助していただく先生もいれば、
お手並み拝見とばかり高みの見物の役員先生方も。

大会終了後はいつも身も心もくたびれ果てていました。
大会会場にぽつんと残り、抜け殻のように茫然と立ちすくんでいました。

負託に応えようとする義心と、そして焦燥感。
やり切れない思いがしていたのでした。
 

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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