『指導員との組手で切磋琢磨の大切さ再実感』105

2011-09-02

先日、中学1年生の男の子が初段の審査を受けました。
昇段審査の度に私は、
『切磋琢磨』と書いた紙を正面に貼ることにしています。
力を抜いた組手をしてもお互い強くならないし、
そんなことでは黒帯としてどんなものかと思うからです。
今回はあえて貼らず、口頭で切磋琢磨の必要性を説くことにしました。

私はこう話しました。
「一か月ほど前に、指導員3人と私とで組手をしました。ローテーションしながら何十回も延々とやりました。もちろん、いつもみんなに“切磋琢磨せよ”と話している通り、気も力も抜かずにやったつもりでした。
ところが翌日、右の上腕が痛くなりました。筋肉痛になっていたのです。ふだん組手をしても筋肉痛などならないのに、です。
ということは、みんなにはどんなときも力を抜くな、全力でやれ、なんて言っておきながら実は自分はふだん力を抜いていたわけです。そんな有言不実行の自分を恥じ、反省しました。
反省するとともに、本気を出させてくれる相手はありがたい存在であるとも改めて感じました。全力でぶつかっても、それを受けてくれる相手がいるからこそ自分を追い込む練習ができる。これこそが切磋琢磨なんだと。
また、そういう練習を積むと“あれだけやったのだから他は何も恐くない”と思えるようになります。だから、全力でぶつかれる相手は、自分にとってとても大事な人なのです」

この指導員たちとの組手で、切磋琢磨の大切さを改めて実感できました。
それは、私の信念をさらに太く堅固なものにさせてくれたのでした。
指導員たちにとってみれば、有難迷惑だったかもしれませんが…!

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る”空手家
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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