『審査も加点方式で』101

2011-08-08

ふだんの稽古で心がけたいのが「美点凝視」です。
それは審査のときも同様です。

良いところを見てあげよう、見逃すまいと思っていると、
良い点がクローズアップされます。
良い点が目につくようになります。

“人のいいところを見てあげる。すると、その人を好きになる”

当然、指導者からは褒め言葉が出ます。
子どもは喜びます。
子どもはふだんあまり褒めてもらうことも少ないので、
認められると嬉しくなります。

自分を肯定的に見てくれると、良いことにがんばる。
良いことが増えて、悪いことが少なくなる。
結果的にその子はよくなる。

とはいえ子どもだから、悪さもします。
だから叱ることも必要です。
しかし互いの信頼関係がないうちに叱ると反発します。
そして余計に悪さをします。

ところが良い点を見てくれている人になら違います。
目に余る行為はビシッと言っても反発せずに聞けるようになるんです。
これが信頼関係です。
とても良いスパイラル。
人間関係が良好なしるしです。

人のいいところを見ることは、
何も先生と生徒、指導員と道場生の間だけではありません。
大人同士、会社でも必要な所作です。

自信と余裕のある人は、人の美点を認めることができます。
反対に、自信と余裕のない人は、人の美点を拒絶します。

血眼になって悪点を探し出します。
そして否定して溜飲を下げます。
なぜならそれを認めてしまうと、
自分が否定されていると思ってしまうからです。

しかし、人を否定しているうちは何の進歩もありません。
自分が変わらなくて済むのですから。
そういった、自分を変えよう、
向上させようという人がいる道場や会社では、人が育ちます。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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