2011-08-07
審査は、自分自身の力量が修練の成果としてどれだけ向上したかを、
客観的に評価してもらうものです。
段級位は、その審査で評価した力量を数字に表した階級です。
よく、順位付けにランキングということばを聞きます。
キックボクシングの世界でも「ランキング○位」などといって、
ランキングを使います。
ランキングは実力がものを言います。
ルールの範囲内であれば、腕ひとつでのし上がることができます。
つまり、いぶし銀の技を繰出す老練な選手であっても、
新進気鋭の若手選手に負ければその座を譲ります。
ひるがえって大相撲の横綱はどうでしょう。
横綱になるには、力量だけでなく、
品格も兼ね備えていなければならないとされています。
横綱推挙状にこうあります。
品格力量抜群に付き横綱に推挙す
横綱は絶対的な地位です。
それだけに責任がとても重くのしかかります。
成績が振るわなければ大関との入れ替えはありませんが、
しかし引退を決意しなければなりません。
空手の段級位は、ランキングとも、大相撲の番付とも違います。
しかし、その地位でいることの重みを感じて人格を磨こうとする姿勢は、
大相撲に似ています。
ゆえに、建武館では力量や才覚だけでにとらわれず、
上位者は人格も審査の判断基準にしています。
人格というとたいそうなことに聞こえますが。
強いだけではだめ、ということです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。