2012-09-18
読売新聞を読んで自分自身もぜひ力になりたいと思いました。私は地元密着で空手道場を運営しています。プロとして誇れるものはありませんが、人と接して元気になってもらう喜びを知る者として何か人様のお役に立ちたいと常日頃から思っていました。
道場では精神的なトレーニングとして空手を習い、克己心や忍耐力を身につけて弱い自分の心に打ち勝つ努力をさせ、自分の内面を反省させます。ただ厳しさだけではなく、体を動かす喜びも味わわせることも必要です。運動すると自分に対してポジティブになれます。逃避しようという消極的な気持ちから、頑張ろうという前向きな気持ちに切り替えることができます。昨今、ニート・引きこもり・うつ症状の人が増えています。若者の無業は、人口減・超高齢社会において経済的な損失は計り知れません。
加えて、私どもの会社が協力雇用主となり刑を終えて社会に戻った人がやり直すための就労支援をするようになってからは更に「更生」という想いが強くなりました。彼らにとって、痛みを共に分かち合って生きていく仲間や居場所が必要なのではないか。我々にできることはないか…。協力雇用主となって、さらにそう思うようになってきました。
その更正の決意を支え立ち直れるように援助し健全な社会の一員にするには、
職に就いて責任のある社会生活を営み、
コミュニケーション能力を養い、
同じ過ちをしない強い芯を作ること。
このことから、我々建武館が今、何をなすべきかが見出せた気がしました。
8月(2010年当時)に自立更生促進センターが開所しますが、国だけでなく国民が「許す勇気」を持たない限りこの問題は続いてしまうでしょう。だからこそ町道場の出番だと思います。彼らに強い芯を作り人とコミュニケーションできるように自信と思いやりを作ります。そして悪事を考えることが馬鹿らしくなるほど体を動かして心も体も健全にさせます。そういう活動実績を通して、地域の理解を得るのです。
今、必要なのは弱者への優しさ、損をしても正しいことをする正義感です。
彼らの立ち直りを支え、就労の支援が必要です。これからも、私どもにしかできない社会貢献に取り組んで参りたいと思います。
空手を通じて心と体を元気にさせるという社会貢献に、ぜひ、私も仲間入りをさせていただき人様のお役に立ちたいと願っています。
日本空手道建武館 館長 篠田剛