小山泰明と稀勢の里 建武館 館長

1998年5月場所後に横綱に昇進した若乃花以来、日本出身力士としては19年ぶりに横綱に昇進した稀勢の里。その稀勢の里の人柄や相撲に対する姿勢は、どことなく小山とダブることが多い。

稀勢の里は言う。同じことをやり続けるのは辛くつまらないことだけど、それをやり続けることが自分のかたち。楽をしたい自分に甘えないで、自分に負けないようにすると。
15歳で入門して以来、休場は大関だった2014年初場所千秋楽のたった1日だけだそうだ。これは、先代師匠の隆の里の教えでもあった。隆の里は糖尿病に苦しみながら入院先から本場所に通ったという。稀勢の里は、そんな師匠の弱音を吐かない後姿を見て育った。だから、苦しいこと、悔しいことがあったが、腐らずにやってこれたのだろう。

小山もまさにそうだ。試合がまだ決まっていないときの練習。やる気がないときの練習。そんな時はたいがいの者は手を抜く。今日はいいか…とさぼることもあるかもしれない。しかし小山はやっていた。最後の試合が終わり、引退した今でも、現役のときと変わらず、淡々と練習をしている。若手選手が早々と帰ったあとや、若手が練習をしない日も、たった一人でもやっていることもたびたびあった。

稀勢の里は13日目で左肩を痛めた。しかしけがを押して出場した。「将来を考えて休んで」という声もあったが出場した。そんなところも小山はそっくりだ。強い精神力、くさらない心は、二人に共通するところなのだ。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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