『指導者の苦悩と努力 上級指導員になる』79

2011-02-09

平成7年にC級スポーツ指導員養成講習会を受講しました。
講習内容はスポーツ生理学、医学、経営学、指導論…。
多岐にわたるものでした。

講習会は休めません。
たとえ親に不幸があっても免除などない厳格なものです。
8日間みっちり講習を受けたあとに資格検定試験を受けます。
私はその試験に合格しC級ライセンスを取得しました。

その6年後、
平成13年にはB級スポーツ指導員養成講習会を受けました。
80時間の講習を要しました。
これにもパスしてB級ライセンスを取得できました。

B級は現在「上級指導員」という名称になっています。
そのほか、上級救命技能や応急手当普及員認定も受けました。
この頃はいろいろな資格取得に挑戦しましたね。

これらの資格取得はとてもためになりました。
指導者は空手の技術に関しては長けています。

しかしそのほかの分野についてはどうしても疎くなります。
空手バカは私にとっては褒め言葉ですが、
世の中では世間知らずといわれます。

空手のことしかわからないと視野が狭くなって、
指導にも幅が広がりません。
その上、やはり指導者は、人としての幅も求められるでしょう。

指導者に陥りがちなのがうぬぼれからくる責任転嫁です。
道場生が上手くならないのは本人の努力が足りないからだ……
集中力がないのは親の教育が悪いからだ……

ひとのせいにすることは簡単なことです。
努力しなくて済みますから。

ですが自分の指導の努力不足を棚に上げ責任転嫁してはいけません。
何かいい方法があるはずだ。
でもどうすればいいんだろう……。
指導者としては悩みが増えてしんどいところです。

しかしそういう苦悩と努力が必ず実を結び、
深みや人柄として表れてくるでしょう。

そして、それはやがて、この人と一緒にやりたい、
と慕われる人になれるはずです。
いや必ずなれる。
そう信じてやっていくのです。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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