『父親の覚悟』70

2011-06-19

東武東上線ときわ台駅の線路内に入った女性を助けた宮本警部が、
1週間後に亡くなりました。

その一年後、宮本邦彦警部の物語が絵本になり、
そして板橋で一周忌法要が営まれました。
本の著者、山口秀範さんも式に参列して、絵本をお供えしたそうです。

そしてまたその一年後に合わせて、山口さんが一冊の本を出版されました。
宮本警部の生き様にさらに深くせまった
『殉職・宮本警部が伝えたかったこと』です。
殉職・宮本警部が伝えたかったこと.jpg
山口さんからその本を、思いもかけずプレゼントしていただきました。
目次をめくると最終章の項に、
「大人の覚悟」という文字が目に飛び込んできました。
この言葉に興味を惹かれてページを開けました。

するとそこには「父親の質問」と題して、
私ども親子のことが書かれてあるので驚きました。

自分の身を挺してでも助けよと子供たちに教えていいものか…
あの問答のやりとりが書かれているのでした。
殉職・大人の覚悟①.jpg  殉職・大人の覚悟②.jpg  殉職・大人の覚悟③.jpg

私の質問に対して山口さんはこのように答えてくれました。

先生の教え、大人の教えというのは、時に、子供の将来を左右するほどに重いものです。ですから、教える側はよほど心しなくてはなりません。心しつつ、そのうえで自分が信じるところを教える。それ以外にないと思います。(中略)あなたが信じることを教え、教えを守った子供が、それによってケガをする、あるいは万一のことになる。そんなことはだれも考えたくはないが、可能性はゼロとはいえない以上、教える側は覚悟をもって毎日子供に接するしかない、そういうことではないかと思います。

心の中でそう思ってはいました。
でも言葉にいい表すこともできませんでした。
山口さんから言葉をもらい、
改めて「覚悟」を決めて子供たちと接するぞと誓ったものです。

この本が、子どもの教育で悩める人に、
一歩前に踏み出す勇気を与えてくれた気がしました。
本当にありがとうございました。


ちなみに「幼い男の子と女の子の姿が見えました」とありますが、
「女の子」というのは次男坊のことです。
髪の毛が長かったせいか女の子に間違われたようです。
また「眠った子供」は三男坊です。
親子4人で対談に参加しておりました。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。
 

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