『組手は説得力を競い合うディベート』55

2011-04-26

どのくらいの強さが“適当”なのかは、
組手をしているうちにわかってくるものです。

自分の手ごたえ、自分が受けた痛み、相手の反応。
この3つの要素を元に考えます。

こういう角度から攻撃をうけたとき結構痛かった。
こういう手ごたえの時に相手は痛がっていた。

こんなことを繰り返すうちに、
相手の痛みが何となくわかってきます。

蹴る角度やタイミングも、
その時に応じてコントロールできるようになります。

すると、この相手には5割の力で蹴ってあげよう、
などと力加減ができるようになります。

自分自身も痛みを経験してはじめて、
同じような角度で打ったとき
“俺と同じように痛いだろうな”
そう共感できるようになります。

前提は、お互いに真剣に攻撃しあうことです。
つまり切磋琢磨です。

組手は、説得力を競い合うディベートにも似ています。
お互い、丁々発止、言い合いながら、ぶつかり合いながら、
伸びていくのです。

これが大事なんですね。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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