『ブータン国王の教え』50

2011-11-19


ブータン王国。
それまではまるで関心のない国でした。
しかし、新聞コラムで知った歴史学者の今枝由郎さんの随筆と国王の演説で、
俄然興味を持ちました。

今枝由郎さんの随筆はブータンの国民性をよく表しているものでした。
今枝さんがブータン旅の途中、段差にはまって車が立ち往生。
助けを求めるでもないのに通り合わせた人が一人、また一人、
黙々と手伝い始めたそうです。

困っている人を助けるという国民性。
この話を知って、GNH(国民総幸福量)を提唱している国だと
いうのがうなずけました。

国王の演説も心に響きました。
私にはこう聞こえました。
「日本人の皆さん、自分の国にもっと自信と誇りをもってください。
あなたたちはこんな素晴らしい民族なのです…。」

日本人以上に、日本の素晴らしさを知っている人です。
国王の演説は、忘れかけている日本人の心を教えてくれたようでした。

ブータンという国は、私の心をくすぐる国であることがよくわかりました。
大喪の礼と即位の礼出席のため訪日した、
先代国王のエピソードがまさにそれです。

他国の元首は弔問とともに、日本政府関係者に
ODA増額を要請するなど「外交」も兼ねていました。
しかし先代国王は他国と異なり、
弔問だけに徹して増額要請を一切行わず帰国したそうです。

新聞記者に帰国した理由を聞かれた国王は、
このようにきっぱり答えたそうです。
「昭和天皇への弔意を表するために来日したのであって、
金を無心するためではないからです」と。

ブータンや国王のお話しを聞いて思い出すのが藤原正彦氏の言葉です。
「日本人の築いた文明は、実は日本人にとってもっとも適しているだけではありません。個よりも公、金より徳、競争より和、主張するより察する、惻隠の情や「もののあはれ」などを美しいと感ずる我が文明は、『貧しくともみな幸せそう』という、古今未曾有の社会を作った文明なのです」(「日本人の誇り」)

幸福の追求のためGNHの概念が生まれました。
周りが不幸であれば人は幸福になれず、
社会全体の幸福を追求していく必要があるという考えです。

日本人は物質的に豊かになりましたが心にゆとりがなくなりました。
しかしブータンにはホームレスはおらず、
非常にゆとりのある生活をしているそうです。
経済発展でいえば日本が遥かにしのいでいますが、
人の心根はブータンから学ぶべきですね。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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