2011-01-14
だけどそんな僕でもあの子らは慕ってくれる…。
僕を信じてくれる人がこの世にいたのか。
どうせ僕のことなんかわかってくれない、
周りはみんなバカな奴ばっかりだと思っていたのに…。
直人は心が揺れ動いたんだと思います。
今まで人を疑り、さげすんでいたのに、
そんな自分を慕ってくれる人が現れた。
これほど心強くて嬉しいものはありません。
自分はここにいてもいいんだと。
認めてくれる人がいるだけで、心が救われる思いがします。
小さい頃からお前はダメだと言われ続ければ、
自分の考えや行動に自信が持てません。
反対に、身近な人に信頼されれば、
自分もまんざらじゃないと自信が持てるものです。
みなしごの正しく生きる厳しさを…。
人は色眼鏡をかけます。
この人はこうに違いないと。
一度決めつけると簡単に変えられません。
決めつけられる方はいつまでも嫌な目で見られます。
たまったものではありません。
世間の嫌な目が長い間続くと、どうせ僕は…となってしまいます。
そんな状態から抜け出して這い上がることは、
実に厳しくなってしまうのです。
私達はどうしても、人の短所に目がいってしまいます。
何度も見ると許せなくなります。
そして指摘してやっているつもりが実はけなしてしまっていたのです。
短所ばかり目をむけるとその人を嫌いになります。
しかし、人間は不思議なもので、
あることがきっかけで好感を持つと、
次第に長所に目が行き、やがて好きになっていきます。
これからは長所に目を向けませんか。
そうすれば必ず虐待もいじめも減っていくでしょう。
建武館 篠田剛
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。