2012-06-15
野口健さんがエベレスト登頂に初めて挑んで失敗したときのことです。
その登頂の最中に、
ゴミ拾いをしているヨーロッパ登山隊と出会いました。
こんなところでゴミ拾いをしているのか!と。
そこでゴミを改めて見てみると、
日本隊が捨てたゴミがたくさんあるわけです。
世界中の登山家が日本人をバッシングしているが、
それはこのことだったのか。
ゴミを目の前にして、その理由がわかった気がしたのだと思います。
これが野口さんを清掃登山に駆り立てたのだ…
…ということでは、実はないようです。
エベレスト登頂に失敗した記者会見。
山岳協会の先輩方から「とりあえず謝れ」と言いつけられていました。
謝る必要はないけれど、そこはこらえて“謝罪会見”となりました。
そのとき記者から「売名行為で登った」と毒づかれるわけです。
これで闘志に火が付いた野口さん。
言うつもりではなかったエベレストの日本人が捨てたゴミの話。
日本人のマナーは三流と言われたのはつらかったなぁ、
とポロリとこぼします。
この話がもとで、蜂の巣をつついたような騒ぎになりました。
山岳協会からは今後ゴミの話をしたらエベレストに登らせない、
と圧力をかけられる始末。
歴史と権威のある会に盾を突く結果になってしまったわけです。
野口さん、このとき“言わなきゃよかった”と、
本音はとても後悔したそうです。
もうこれからずっと、山に登れなくなってしまうわけですから。
ところがその後も山の先輩から
「ゴミの話しはするな」「黙っていろ」と言われ続けます。
それまでは純粋に尊敬していた先輩達ですが、
そうじゃないんじゃないか?と思うようになるわけです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■建武館では空手やキックボクシングはもちろん、3歳から始められる空手運動クラス、女性でも気軽にできるソフトキック、60歳からのアンチエイジングトレーニング、自主トレーニングコースも常設しています。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。