『信頼せねば人は実らず』241 日本空手道建武館 篠田剛

2012-04-19

やってみせ……
これは人の上に立つ者の心得です。

態度や行動で示してぐいぐい引っ張っていくのがリーダーです。
率先垂範ですね。
人は口先だけの人間なんかについてきませんからね。

ところが現実はというと、
率先垂範してもなかなか人は動いてくれません。
上の者は張り切っているが下の者は冷ややかな視線、
ということがよくあります。

こんなときの人間関係ははだいたいがうまくいっていません。
どうせ部下は言ったって動いてくれないからと、
だから一人でやっていることが多いのです。
そんな気持ちでやっていたら、
いつまでたっても下の者の心には響いてきません。

そこで山本五十六は、
人を動かす要諦を第二、第三節で教えています。

話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず。

まずは下の者の意見をじっくり聞いてあげる。
そして任せる。あとは俺が責任持つからやってみろ、と。
任せたからには肚据えて、
奮闘する部下に信頼を寄せて見守ることが大事だ、と。

では、山本五十六は何を言いたかったのでしょう。
それは、率先垂範する前にやるべきことがある。
それは部下と良好な関係になることだ、ということです。

上司が部下に対して信頼を寄せてこそ、
部下は上司を受け入れるからです。
率先垂範するのはそういう関係になってからなんだと、
山本五十六は言っているのだと思います。

褒めてやらねば人は動きません。
しかし褒めただけでも人はうごきません。
人は褒められたからといって動くものではないからです。
好きな人に言われたから動くものなのです。

戦時中というトップダウンの環境下でありながらも、
山本五十六はこのように考えていたんですね。
これぞ真のリーダー。なかなか真似ができません。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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