『できることからボランティア』 22

2011-03-30
私は荒れ狂う海の夢を見ました。
高台から下を見ると黒々とした波が、
国道とそれに沿って走るレールを飲み込んでいました。

目覚めて夢だとわかっていてもその恐怖を引きずっていました。
夢でさえ恐ろしかったのだから、
あの津波に巻き込まれ命からがら逃げ延びた人は、
どれほどの恐怖を味わったか。

心の傷を負った人に手を差し伸べたい。
福島の被災地に行って少しでも役に立ちたい。
そんな思いを持ちながらも、
どこに申し入れをすればよいかわからず、
私は区役所に問い合わせました。

するとボランティアセンターというところを案内されて、
すぐに連絡をいれました。
センターによると、
残念ながら被災地への送り込みはまだやっていないとのことでした。

小学校の廃校舎を利用しているというセンターは、
教室に畳を敷いて即席の避難所にして被災者を受け入れる手筈でした。
準備に人手が要るというので協力を申し出ましたが、
ボランティアが来てくれているので大丈夫ですとのことでした。

連休の2日間はもともと空手とキックの試合のある日でした。
しかし地震の影響で試合が延期になったので空いていました。

私は息子たちに聞きました。
どうせ試合がなくて空いているんだ。
ならばボランティアしないか?
息子たちはその意義を感じていたせいか、
二つ返事で引き受けてくれました。
彼らにボランティアの経験をさせたいという思いもありました。

突然の訪問にもセンターは快く受け入れてくれました。
その日は一日、親子3人でお手伝いをさせていただきました。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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