『山岡鉄舟の胆力』218 日本空手道建武館 篠田剛

2012-03-05
山岡鉄舟肖像 全生庵蔵 日本空手道建武館.jpg

山岡鉄舟が西郷隆盛のいる駿府に出発する日のこと。
それは敵地に乗り込むようなものであり、
殺されるかもわからない緊迫した状況です。

なのに鉄舟は、腹ごしらえにと、
茶漬けをサラサラと10杯ばかり掻き込むと、
「ちょっと出てくるぞ」
と言って飛び出していきました。
まるで“品川沖へ釣りに”でも行くような気軽さだったそうです。

品川を抜け、六郷川を渡ると道路の両側には、
官軍の部隊が鈴なりに並んでいたそうです。
見渡す限り敵、敵、敵。
ふつうなら立ちすくむものです。
しかし鉄舟はその部隊の中を“悠々と”歩いていったのでした。

死ぬかもしれないと分かっていながらやってしまう、
凡人にはまねのできない行動。
どうして鉄舟にはできたのでしょう。

勝海舟曰く、
「それは、鉄舟が早くから生死を超越していたからだ。その修養ができていたからだ」

大森曹玄氏は、
「剣と禅、そして父から受けた武士道の教えなどがあずかって力があったのではないか」

私も、幼少の頃からの父母の教えが、
鉄舟の人となりを作ったのだと思っています。
鉄舟には赤心、まごころという塊りを心に宿していました。
この赤心がすべての原動力になっているのだと思っています。

人として行うべきことを行う。
それがたとえ自分にとって損なことでも。
傷つくかもしれないとわかっていても。
自己犠牲の精神は今の世の中にこそとても必要なものなのです。

いずれまたの機会に山岡鉄舟のお話しをさせていただきます。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますのでよろしければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。
■今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
■道場生に伝えたい“技は心に応ず”“拳足は警策なり”。
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■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。


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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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