『寺子屋と武士道』210 日本空手道建武館 篠田剛

2012-02-23

明治政府は欧米の制度を採り入れて急速に近代化を進めました。
学制を発布して寺子屋を廃止し、近代的な学校制度を作りました。

こうして文明開化の名のもとに欧米の文化が一気に流れ込み、
人々の生活や風俗が一変しました。

それからというもの、寺子屋で語り継がれた武士道精神は、
絶ち消えてしまうのでした。
武士道は文明開化の犠牲となり、廃れていきます。

時が過ぎて昭和の時代。
終戦を迎えてアメリカ文化が流入し、
これまた衣食住が一変しました。

近代化を進めるのとは裏腹に、
やはりここでも武士道が犠牲となってしまいました。

戦争に利用された武士道は、
ミリタリズムでよくないものだと批判されてしまったのです。

このようにして武士道は、二度にわたり姿を消します。
武士道を通じて広まった儒教も道徳心とともになくなり、
混沌とする時代となりました。

やがて、過去を否定された日本人は迷いはじめ、
何を信じればよいかわからなくなり始めます。

そこで今、心のよりどころとして脚光を浴びているのが、
武士道精神です。

その理由を二点だけ申し上げます。

まず一つは、武士道の持つ惻隠の心に触れたことです。
私たちは東日本大震災を通して、
弱者を思いやる心の尊さを実感しました。
自分が損をしても、あるいは犠牲を払ってでも、
正しいことをする高潔さを学びました。

もう一つが拝金主義の嫌気です。
金さえあれば何でもできるという考えの否定です。
当時、武士は権力を持ちながらも庶民よりお金がなく貧乏でした。
しかし庶民からは尊敬されていました。
それは、お金持ちよりも道徳心のある人が、
人間として敬意を表されていたからです。

古き良き日本人の姿がそこにあります。
武士道を見つめ直すことでその姿を取り戻したい!
疲弊した日本で、多くの人がそう思うようになってきたのでしょう。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。
■今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
■道場生に伝えたい“技は心に応ず”“拳足は警策なり”。
■これからの社会の在り方として建武館が投げかける大事なメッセージ“よその子もうちの子”。
■建武館はK-1戦士を生んだ板橋初の道場です。空手道場というと、とても怖くて敷居が高いイメージですが、入ってみると意外にそうでないことがわかります。小さい子から壮年まで、初心者からアスリートまで、すべての人がそれぞれの目的を達成できるよう考えられた道場なのです。
■建武館では空手やキックボクシングはもちろん、3歳から始められる空手運動クラス、女性でも気軽にできるソフトキック、60歳からのアンチエイジングトレーニング、自主トレーニングコースも常設しています。
■空手の個別指導もしています。マンツーマンでじっくりやりたい方はお気軽にご相談ください。さらに、ご自宅や企業のサークル・研修会・各種イベントなど道場以外でも空手を楽しんでいただけるように出張指導もしています。道場まで通えない方や、企業イベントなどの福利厚生、クラブ活動などにご依頼ください。
■平日はどうしても時間がとれない方は、東武東上線・大山駅にある「コナミスポーツクラブ大山」にお越しください。都営三田線・高島平方面にお住いの方は、新河岸にある「わかたけ第2保育園」にどうぞ。
■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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