2011-10-31
板橋区民まつりの演武は毎年恒例の行事となりました。
演武といえば、思い出に残るのは、
2005年に出演した「板橋ふれあいフェスティバル」です。
この催しは板橋区内で文化的活動をしている団体が、
日頃の成果を披露するというものです。
このころ、空手を習うと乱暴者になる、
というような話を聞くことが多かったのです。
けんかをした者が空手を習っているだけで、
そのように言われてしまいました。
その偏見をどうにか払拭したかった。
ある日、広報紙に出演者募集の記事が載りました。
私は“これだ!”と思って、さっそく申し込みました。
空手が文化活動?
板橋区の担当者ははじめ、私の申し入れに戸惑っていました。
一旦は保留となりましたが、
上司と相談したところ、出演の許可が出ました。
嬉しかったですね。
空手の文化的価値が認められた!くらいの喜びでした。
和太鼓や能など、日本の伝統文化の演舞が繰り広げられる中、
空手衣を着た子ども達が、気合いとともに登場。
観客は驚きとともに、とても新鮮に映ったことでしょう。
今までに経験のない、千を超える収容人数のホールでの演武。
足元にはドライアイスのスモーク、色鮮やかなライトを浴びて、
子ども達も緊張していました。
演武が終わり、幕が下りると、子ども達は安堵の表情。
客席からの拍手が聞こえると喜びの笑顔に変わって、
ハイタッチをしていました。
場違いな、と思われたかもしれません。
しかし、空手がいつの日か、
子どもの成長に大事だと文化的価値が認められるよう、
これからも努力していこうという思いを新たにしたものでした。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。