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空手のこころ

『トイレ掃除、ほろ苦いスタート』61

2011-05-31

私はトイレの手磨きを日課にしています。
道場の便器に付いている大便、小便を拭いて、
きれいにしてから帰宅します。

たまに忘れてしまう時もありますが、
引き返せるときは道場に戻って掃除して帰ります。

仕事が長引いて2時3時になっても一人ゴシゴシやっていきます。
帰る間際に思い出し、面倒になって
“今日一日くらいいいか”とよぎっても必ずやります。
もう意地になってやっています。

トイレの手磨きを日課にするようになったのは2006年の春からでした。
そもそもなぜ始めたのかというと、
実はあまりかっこのいいはじまりではありませんでした。

2006年、早春。
会社の人間関係をどうにかよくしたいと思っていたときでした。
社内で、ある目標を設定して達成しなかったらトイレ掃除をしよう、
と約束しました。

その目標は達成しませんでした。
4月1日より、約束通りみんなでトイレ掃除をすることになりました。

数か月すると、この約束は守られなくなりました。
守られないばかりでなく、このトイレ掃除がもとで、
より人間関係を悪化させてしまいました。

実は私の知らぬところで、先輩が後輩に掃除をやらせていたらしいのです。
後輩は、先輩に言われて、いやいやトイレを掃除していたのでした…。

経験的にトイレ掃除の良さを知っていました。
しかしその良さを理解させないうちに、
なかば強制的にやらせてしまったのです。
これがそもそもの誤りでした。
そんな言葉足らずが招いた出来事でした。

そこで私は、自分自身は続けて行うが、
人に無理やりやらせることはやめにしました。
言葉ではなく行いで良さを伝えていこうと思いました。

人を変えさせようと思ってやっていたものが、
しかし続けていくうちに、自分の身になっていくのがわかりました。
それからというもの、誰にも強制せず、
私は一人でトイレ掃除をするようになりました。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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