おれの半生

『親父、つらいんだよな』 31

2010-12-09 自宅療養とは名ばかり。 親父は術前と変わらず、外出してはいろいろな会合に出席しました。 徐々に体力がなくなり、自力では階段を上り下りできなくなりました。 すると、会合の主要メンバーに「負ぶってくれ」…

『水かぶり』 32

2010-12-10 いつだったか記憶にありませんが、正月の朝、私は親父に誘われて水かぶりをしました。 そしてそれは、二人の毎年の恒例行事となりました。 親父から聞いた話では、祖父は一年365日、風呂場で冷水をかぶってい…

『最後の 親父との水かぶり』 33

2010-12-11 新年早々に行われる会社の新年会。 いつの年からか、 その日の朝に、親父と二人で水をかぶる習慣ができました。 寒空の下、身を冷水で清め新たな出発を心に誓ったのだと思います。 そしてまた、祖父の代から始…

『新年会で最後の雄姿』 35

2010-12-13 会社の新年会は、板橋区立産文ホール、 現在のグリーンホールという所で行いました。 社員をはじめ、日頃お世話になっている方々や、 町内会の方々も招いて、和やかに行われました。 前半は表彰などの式典、後…

『純粋に 親父は凄い』 36

2010-12-14 体格のいい人が、思いっきり角材を振り下ろす。 この人も、親父の心意気がわかっている人でした。 だからこそ、無心で思い切り振り下ろせたのだと思います。 普通の人なら躊躇するはずです。 角材は、親父の前…

『兄からの悲しい知らせ』 37

2010-12-15 いつの日からか、親父は温泉旅館で療養することになりました。 自宅にいれば見舞客など人の出入りが多く、 弱いところを見せない親父は 常に気を張っておらねばならず、 さぞつらい日々だったろうと思います。…

『おやじの右手』 38

2010-12-16 温泉旅館に着くと、 女将さんは部屋の入口に線香をあげて両手を合わせてくれていました。 部屋に入るとおやじの顔に白い布が掛けられていました。 おやじよ…少し前に会った時も痩せたと思ったけ…

『死んで惜しまれる人』 39

2010-12-17 おやじの弔問にはたくさんの方々がいらしていただきました。 花輪は路地から路地まで、 ずっと見えなくなるところまで並べられていました。 若かりし頃のおやじは暴れん坊で恐れられていたようでした。 一念発…

『おやじらしい通夜』 40

お通夜。 私のおやじは破天荒。 ですので前代未聞のお通夜となりました。 お清めの席でのこと。 兄や私の友人も多数駆けつけてくれました。 みんな故人を前に、しんみりと偲んでいました。 そこに、誰からともなく おやじさんはし…

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