おれの半生

『慙愧と決意』 11

小学3年生頃までは、父との交わりのなかった生活を送っていました。子供っぽさがなくなり、明るさを失いつつありました。それに気づいたのであろう。父はつとめて私と触れ合ってくれました。良い点を見つけては褒めてくれました。徐々に…

『立ち食いうどんの罠』 12

空手以外のことをしよう。 ならば球技だ。 小学6年生のときポートボールが上手かったという理由で、中学生になるとバスケ部に入りました。しかし長続きせず、今度は友達がいるからという理由で野球部に入ります。 空手から距離を置い…

『再燃』 13

立ち食いうどんの罠にまんまとはめられて、私は何度か出稽古に行きました。 初めて味わう緊張感、そしてプライド。心の中で何かしら動いたのでしょう。空手に対する想いが少し上向き始めました。 父は矢継ぎ早に、今度は横浜の大会に出…

『木刀で留守番』 14

何年生だったか、小学生の時、独り留守番することになりました。 自宅屋上のプレハブ道場にお化けが出たとか楽しんでいる時はいいが、いざ一人となると自宅とはいえ薄気味悪いものです。まさか空手道場の家ですので泥棒は入らないでしょ…

『転機の日』 15

中学3年の時。 父が、私に会わせる人がいると言うのです。 約束の日。 自宅の和室、祖父が生前使っていた部屋でのことです。そこには父と、小柄な男性がいらしてました。私は緊張の面持ちで入るのでした。 その方の名は金城裕先生。…

『個人指導始まる』 16

高1の夏休み明け。 金城裕先生直々のマンツーマン指導が始まりました。 これほど名誉なことはありません。今、考えれば先生を独り占めできたことに感謝しています。金城先生から教えていただいた技と心は今も財産となっています。 筋…

『単調な稽古でガマン』 17

金城先生のご指導の大半は基本稽古で占められていました。残りの時間は鍛眼法と型だけです。組手は一度も教わったことはありませんでした。 その場基本をみっちりやったあと移動基本に移ります。一つの技を道場の端から端までを2往復し…

『心遣いを教わる』 18

私が金城裕先生から教わったのはもちろん空手ですが、日常の立ち居振る舞いも見習いました。 地方の審査会などによく先生のお供をさせていただくことがあります。いわゆる鞄持ちです。 審査の合間に食事などで雑談をします。その時の何…

『パンチパーマの清掃活動』 19

自宅の鍵は掛けたことなどありませんでした。 誰もがいつでも出入りできました。少し変わった家です。私が学校から帰ると、家にいるのは兄の友達でした。まるで我が家のように勝手に上り込み、お菓子を食べながらテレビを見てくつろいで…

『離婚』 20

中学3年の時、若い継母は父と離婚し、家を出ていくことになりました。 身支度を終えると私に、 じゃあね… いろいろ複雑な思い出が、おたがいにありました。 いろいろな言葉もあったでしょうが、全ての感情を、じゃあ…

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