ホーム>空手のこころ>『惻隠と利他の精神』 41
空手のこころ

『惻隠と利他の精神』 41

2011-01-04

平成24年より中学校で武道が必修化されます。
これは武道の教育的価値が認められたからでしょうか。
私は、今の日本に必要な
「惻隠と利他の精神」
を武道に求めているからではないかと思えてなりません。

武士道という書物を著した新渡戸稲造が、
武士道の最高の美徳は弱者や敗者への共感の涙であると語っています。

当時、武士は権力を持ちながらも庶民よりお金がなく貧乏でした。
しかし庶民からは尊敬されていました。
それは、この弱者を思いやる心、惻隠があったからです。
つまり、お金持ちよりも道徳心のある人が、
人間として敬意を表された時代だったのです。

利他の精神とは、この自分よりも他者の利を優先する、という心です。
自分のことは後回しにして人のために尽くすのは、
お人好しのすることだと小ばかにされそうです。

しかし、他人のことなどどうでもいいとなれば対立が起こりやすい。
実際に国内外では衝突や紛争が絶えません。

だからこそ、今、惻隠の情と利他の精神の復活が叫ばれているのです。

建武館 篠田剛

前のページ 次のページ

※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

loading...